住民総ボランティア論への疑問

ボランティア活動は、現在のところ地域社会では相対的に極めて少数者の運動であり、これからも、多数者の運動にはならないかもしれません。


ボランティア活動が喜びをもって共に重荷を担おうとする自発性を原則にした活動であるかぎり、地域住民のほとんどがボランティア活動に参加することなどありえないし、またそう期待すべくもないでしょう。


地域的に結びつきの弛緩を連帯活動としてのボランティア活動で修復し、行政への依存心を深めた住民に対してボランティア活動の自前主義を強調しようとするあまり、「住民総ボランティア化」の主張に短絡することは・・・


実はボランティア活動の誤解であるといって過言ではないでしょう。


重荷を背負っている人びとと、そうした人びとに支援の力をかしたいと思う人びととの触れ合いと共感、理解と思いやりは、かつてしばしばみられた全戸包括主義の町内会による寄付金集めのような事実としての社会的強制からは決して生まれないと考えるからです。


やさしさや配慮が希薄化する現代地域世相への慨嘆は、しばしば「和合」とか「隣保共同」の伝統的な醇風美俗観への回帰と連動しやすいのです。


「住民総ボランティア化」のスローガンは、主張者の意図とは別に、そうした「道徳主義」の再生をうながし、また新しく活動しようとするボランティアの個性的な内発的動機、信念、気概を型にはまった行動へ水路づける根拠に利用されやすいのです。

社協について考える

社協に対する行政の最善の支援は、ボランティア活動基金の設立への協力であり、社協がその基金の果実でどのような活動をいかに行うかには口を出さないことです。


いわんや、福祉行政事業の民間委託場所として社協を使うことについては極力、自己抑制的でなければならないでしょう。


一方、社協側も、委託事業の実施をあたかも社協活動の内容と実績であると考えざるをえないような体質から脱皮する必要があります。


ここでも自主的に使いうる独自の資金の確保が最も大切です。


また全国社協から都道府県社協へ、さらに市区町村社協へと福祉行政の「民間委託」化を進める「指導」が「上」から行われるようなことがあってはならないでしょう。


自治体としての都道府県と市町村とを上下関係で考える発想と制度を改革すべきとするのが現在の地方自治論です。


まして独自の民間団体である社協間に上下関係があるなど不自然であるといわなければならないからです。

インドの「新聞のビッグバン」 2

政府の統計によると、ラオ政権による経済改革が始まった91年から2年間で日刊紙の発行部数は約500万部も増加、93年の総部数は約2900万部に達しました。


日刊紙数も91年の3229紙から、93年には3740紙へと増えました。


経済改革で経済ニュースへの関心が一気に高まったのと、中間所得層の台頭が"新聞ブーム"の背景にあります。


94年から96年にかけて部数を倍増させた「エコノミック・タイムズ」の編集を担当するビベック・バラティは


「91年当時と比べると経済専門紙の市場は2倍に膨らんです。


わが社の新聞の宅配比率は70%に達し、個人購読層は着実に増えている」・・・と証言します。


インド政府の関係者は「中間所得層では英字の一般紙か経済紙、それにヒンディー語などの地元言語紙を合わせて購読しているケースが多い」と指摘、新聞ブームを支えるのは「ミドルクラス」と明言します。


「ミドルクラスの増大が、新聞編集に影響を与え、その新聞がさらにミドルクラスの思考やライフスタイル、経済活動に影響を及ぼす」(政府系のエコノミスト)


・・・という連鎖の構図がインドで構築されようとしています。


主要英字紙はミドルクラス取り込みを狙ってビジネス面や家庭面などを新設したり、増ぺージで業界トップの「タイムズ・オブ・インディァ」を追撃しています。


また94年2月には"ニューインディアン"向けの英字紙「エージアン・エージ」が発刊されるなど、新聞の個性化も始まりました。

インドの「新聞のビッグバン」

インドの新聞業界を変えた男がいます。


ガウダム・アディカリ。


英字紙「タイムズ・オブ・インディア」の編集長です。


94年6月の就任以来、わずか18カ月間で発行部数を70%も増やし、同紙をインド初のミリオンセラー(百万部)新聞に育て上げました。


銀行マンからジャーナリストに転身した経歴を持つアディカリ編集長の方針は「社会の変化を大胆に」。


英字紙に共通していた政治記事中心の伝統的なスタイルを改め、経済と読み物、娯楽重視、それに女性読者の開拓に力点を置きました。


「男性対象の型にはまった編集では今や情報ニーズに合わない。


新分野の報道に力を入れたのが奏功した」・・・と、同編集長は語ります。


「新聞のビッグバン」と政府関係者が表現するように、インドの新聞発行部数は爆発的に増えています。

アジアの日本漫画

こう見ると、漫画のシステムはマルチメディアに似ていることに気付きます。


これからは受け手が必要な表現を作り、そのまま流通させてしまう可能性があります。


もちろん、漫画そのものがマルチメディアのソフトとして貴重です。


ゲームにしろ、アニメにしろ、映像にしろ、その原形を1番供給できるのは漫画しかありません。


MANGA時代到来の予感がします。


アジアで日本の漫画は版権ビジネスとして定着しています。


最も日本漫画が浸透しているのは台湾です。


長く続いた海賊版の時代は92年夏には終わりました。


現在日本の4社が進出しています。


香港では伝統のカンフー漫画と共存の形で日本漫画が人気。


韓国は日本漫画は原則禁止ですが、現地の雑誌掲載は合法なので、国民感情に配慮しながら売れ始めています。


ただ韓国側から、東京はソウル、金田さんは金さんに変更するなどローカライゼーション(現地化)を求める動きがあり、日本側は「同1性保持」の観点から渋っています。


中国は流通が国家管理のため可能性はありますが、まだ不透明です。

技能的熟練の解体

技能的熟練の解体・・・


その「技術」をとおしての客観的な系へのおきかえという過程は、前者「豊富な労働の世界」を解体するとともに後者「封建的」人間関係と根性主義・心掛け主義の世界も解体するはずなのです。


・・・ところが私たちは、はなやかな色彩にはみなされているこれらの職業群の中に残存していることを毎日のようにみせられています。


医師や大学の研究者養成における徒弟的人間関係や無償労働の搾取は、つい先ごろ世間をさわがせ話題になったばかりですね。


サラリーマンの根性主義なども、この領域、例えば販売部などでもっともはげしいのです。


Tomcatエリート候補の営業部員がスローガンを絶叫したり、工学博士の肩書きをもつ部長が朝礼で社訓を斉唱したりする図は、およそ「組織された知性」のイメージからもテクノクラートという呼称からもほど遠いものです。


それは「日本人の心性」によることもさることながら、この領域での労働能力が、まだ大部分・・・


人間の個人的習練と経験とにもとついてなされる、いわば技術職人とでもいうべき性格のものであることと無縁ではないでしょう。

漫画=開かれたシステム

こうしたなかで注目されるのは、物語環境開発で漫画の原作やコンピューターゲームの企画を手掛けている大塚英志の


「最近の漫画は表現が極端に記号化されたことで一種の美的要素を持った。


かつてハリウッドのディズニーが無国籍化し、世界に商品として流れていったように、漫画、表現も世界レベルの共通語として国境を越えていっています。


オタクっぽいものほど海外で評価されている」・・・との指摘です。


その典型として、士郎正宗とCLAMPをあげました。


この種の漫画にはハリウッドの関心も強く、日本ではあまり知られていませんが、高尾良樹が原作を書いた「ガイバー」は映画化されているといいます。


日本の映画や小説が生み出せなかったソフトをどうして漫画だけが生み出せたのでしょうか。


その興隆の原因は受け手がいつでも発信者になれるという、その独自性にあります。


コミックマーケットに象徴されるように、読者がいつでも作家に変身できます。


いわば読者に「開かれたシステム」で、読者は将来の作者を夢見て読んでいるわけです。

漫画大交流時代 2

日本の漫画を使った日本語学習教材「漫画人」(ボーン・シモンズ編集長)も人気。


本拠がアトランタとあってお堅い外務省も五輪に合わせ漫画での日本PRを行いました。


しかし、MANGAが世界、特に欧米へこのまま広がるには壁があるのも確かです。


バルは「日本の漫画にはセリフや文章に特殊性があり、まだ完全には理解できていない」といいます。


MANGAが世界共通の言葉になるにはそのための「かたち」を見つける必要があります。


バルは、MANGAをフランス的な手法に取り込む必要性を示唆します。


鄭問も、以前は楽観していましたが、最近では


「やはり東洋の作品が西洋で受け入れられるのは難しい」・・・と悲観論に変わってきたといいます。


実はバルの「太陽高速」は日本ではあまり売れませんでした。


キャラクターの魅力、表情の描写力がないというのです。


フランスにおけるアラブ人差別の話が描かれていますが、こうした文化的背景が日本人にはあまり知られていないことも響きました。

漫画大交流時代

いまや日本人の漫画が海外で読まれるという一方通行の時代は終わり、世界がMANGAを使って発信し合う時代が始まっています。


アジアではすでに「漫画大交流時代」が始まっているといっていいでしょう。


韓国の黄美那は日本で評判がよかった「ユニ(允姫)」を里帰り出版として現地誌に韓国語で連載中ですし、台湾の新人、度魯は「歯男」をモーニングに連載、日本に逆進出しています。


日本以外の台湾と香港、あるいは中国と台湾、香港とシンガポールといった具合に日本以外の国・地域同士での交流も盛んになり、MANGA文化圏を形成しています。


欧州でもラテン系のイタリア、フランス、スペインでMANGAショップが大人気ですが、英国やドイツでも大友克洋の「AKIRA」などが売れています。


米国ではアニメがブームです。


例えばニューヨークのグリニッジ・ビレッジにある「クラッシュ」。


扱っているのはほとんどが日本の漫画とアニメ関連。


アニメのビデオがひっきりなしにかかっており、オタクっぽい人だけでなく、上品な身なりの中年夫婦もいます。


「金曜などは忙しくて死にそう」と店員。

日本漫画は優れた表現媒体

「モーニング」の編集長は、


「フランス漫画は1枚1枚の絵は見事ですが、コマ数が少なく、目で追うのに苦労します。


商業的にも衰退していました。


欧州漫画界も最初は日本の漫画を脅威に感じたらしいが、結局、日本の漫画の手法で描ければ漫画の生産量が上がる。


そうした期待でグランプリにしたのでは」


・・・と分析します。


日本でも人気がある台湾在住の鄭問は日本漫画の特徴について、登場人物の感情の動きを豊かに表現する精密なカット描写と、社会の人々の脈動を感じ取り作品に反映する独創的な手法を挙げ、


「日本漫画は大変優れた表現媒体。


台湾の文化、心理を描写するのにも十分役立つ」・・・と高く評価しています。


講談社では、多くの海外作家を抱えています。


日本人の編集代理人を現地に置きファクスでやりとりをしますが、その数は米国韓困台湾仏・伊・ドイツ・スペインの7力国・地域、100人近くに及ぶそうです。

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