世銀勧告と漸進主義
50年代には上からの工業化を狙い、国営・公営企業を数多く設立しました。
民間の経済活動を自由にすることは、一部華僑の地位を高めるだけである、とする考え方があったからです。
しかし、ほとんどの国・公営企業は軍人や高級公務員の天下りポストの提供の場でしかなく、非効率な経営に対する財政資金の投下でした。
こうした実状に対し、世銀は、政府はインフラストラクチャーの充実に力を注ぐべきであり、民間企業の活動分野に参入すべきでない、と提言しました。
世銀の提言は、財政を均衡的に運営しようとしていたタイ政府にとっては受け入れやすい考え方でした。
貴重な財政資金で工業化を図るための投資をする必要がなくなるし、社会資本の充実は外国からの経済協力資金でまかなうこともできます。
自由な活動こそタイの人々の望むところではないでしょうか。
タイ政府はそれまで躊躇していた外国からの投資を自由化し、土地所有や利益送金を認めるなど、大きな政策変更を行いました。